踊る備忘録

雑多な人が、書き留めておきたい戯言をおいてる場所

滑走屋を観に弾丸遠征をした備忘録(12日昼)

注:長いです

12日の14:30公演を見た滑走屋の感想を呟きたかったのだが、TLが長々全部埋まってしまう気がしたので一旦ブログの中に書き残すことにした。そして多分ブログに書き残してもまだつぶやくと思う

 


職人と呼ばれる人が昔から好きだ。

どの分野でもそう。どのような立場であれ自らの持つ技術を活かしてそういう方々が創り出したものを見るのが好きだし、その生き様をリスペクトしている。


まさにそれをごっそり具現化したような夢のアイスショーだった。こんなことがあっていいのだろうか。


この滑走屋の情報が出たばかりの時は、タイトルとゲストスケーター以外何もわからず、いったい何をするんだろう?くらいの気持ちだった。

草太くんが出てるし福岡なら新幹線使えば日帰りできるね、キービジュアルかっこいいしこのリンク大きすぎないから見やすそうだしチケットそんなに高くないし観に行ってもいいかなぁ〜でも私ショーで遠征しないんだよなぁ〜(←ひとりごとが長い)くらいの気持ちだった。

そう、そもそも私はあんまり遠征をする人間ではない。

チョロいことには自信があるけど一応人の親で小さい子供がいるので今は基本的には日帰りで見に行ける範囲しか殆ど出向かないし(泊まると時間も金もかかるし今の生活とのバランスが取れない)、関西圏に住んでいると、毎年近場で何かしらの試合やショーに行くことは可能であるから、(ちなみにどこまでを遠征と呼ぶかの定義は人により様々だが、関西圏+名古屋の範囲を私は近場と呼んでいる)それでも割と満足していた。


だけどその後に出てきた情報で、これは絶対見に行きたい、たとえ一公演だけだったとしても私はこれは観に行かなければならない、と思ったのだ。こんな気持ちになることは滅多にない。

そのように自分を突き動かした理由は様々あるが、一番の理由は、高橋大輔さんが自らの目で見抜いた現役スケーターがアンサンブルで参加するということだった。しかもそのアンサンブルメンバーが、FODや現地のブロック大会等で見た時に、疾走感が好きだなぁとか所作が魅力的だなとかパッションが溢れてるなぁとか思ってた気になる学生や社会人ばっかりだった。試合でしか見たことがない選手、配信でしか見たことないけど一度見てみたかった選手がてんこ盛りに選ばれており、しかもその人たちが自分のプロを滑って終わりとかじゃなくて、アンサンブルを組んで練習して滑るというのだ。

そんなん、観たいに決まっている。 


私はずっと思っていた、大きな大会のメダルを持っていなくても人を魅せられるスケーターはたくさんいるし、選手に求められるもの(例えば現行ルールで求められる実施ができるかとか)が必ずしもショーのスケーターに求められるわけでもないと。だからレジェンドや強化選手がいっぱい出てくるショーも素敵だし必要なものだけれど、違う角度の演出のショーも見てみたいと。

だから、学生・社会人スケーターをアンサンブルに選出し、しかもその人たちが自分のプログラムを順番に滑るとかではなくてショー独自のナンバーを練習してみんなで滑る、と聞いた時、「そう!私はそういうの観てみたかった!何?私の脳内の妄想のぞかれてましたか?」と思ってしまった。

正確には、観たいと思ってたけれど、実現させるのがすごく難しそうだからそんな願望をやんわり持ちつづけながらもそれを言葉に出さずにスケートを観ていたっていうのが一番正しいかもしれない。(だって普通に考えたら簡単ではない、学業と両立している、社会人もいる、学年もちがう、住んでる地域も異なる、参加する試合のタイミングとかもずれてる人たちを一気に集めて合宿して斬新なショーナンバーを振り付けるというのは。全国ツアーとか組んでくれたら最高なんだけどその境遇の人たちだけ集めてスケジュール組むの大変すぎるだろうとも予想できるから、今回三日間開催できたって事実だけでもまずすごいと思った。ただこういう試みは今後も継続してほしい。学生スケーターや観客の糧となると思うので)


土日に非常に重要な子どもの行事が入っていたため、月曜日しか行くことはできないがそれでもいい。1日でも行ける日があるのが幸いと考えよう。そう思いチケットを取った。そして見終えた今、

本当に満足している。弾丸であっても行けてよかった本当に。

 


本草太さんは四大陸選手権の後で滑走屋に参加する形だったので、スケジュール的にはハードだから身体に気をつけてね、でもめちゃくちゃ楽しみにしてるからね!の気持ちで見に行った。

しかし私が見に行けるのが最終日のみだったので、

「文字レポや写真ならともかく、動画のネタバレは事前に踏みすぎないほうが観る時の楽しみがあっていいかなあ…でも撮影可だし、上手く撮れるか撮れないかは別として、どのタイミングにどの方角に出てくるかくらいは把握しときたいし…」

と思いながら、1日目2日目に参加した人の情報を追った。そしたら、こういうタイミングでカメラを構えてください!とか、この方角から入ってきてこの方角にいることが多いです!という情報が多くの方から得られた。これは大変ありがたいことだった。今回は以前撮影許可がされていた氷爆の時に出ていたオーダー表がなかったので、これらの事前情報にすごく救われた。

当然、素晴らしいショーあるあるで、一公演じゃ足りないとか、おかわりしたとか、何回も見ないとわからないことがあるって呟きはめちゃくちゃ流れてきたし、それは全くもっともすぎる意見なのだが、どうスケジュールを見直しても私が観られる公演は時間とお金を絞り出した一公演しかなく、これを自分なりにしっかり目に焼き付けて存分に楽しむにはどうすべきかについては、それなりに計画を立てて挑む必要があった(大袈裟)。

あと高橋大輔さんの事前コメントやショーのコンセプトを見るに、普段スケートを観ない人にも観てほしいという意図もあったと思うので、一公演だけ観ようとする人を完全に排除しようと思ってるようなショーってわけでもないんでは?と感じたので。

まあ見終わった後の感想としては、最低スタンドとアリーナで1回ずつは観られたら一番いいんだろうなとはやっぱり思ったけどね(そりゃそう)。

草太くんは遅れて合流したのに、全然それがわからないくらい振り付けをしっかり落とし込んでて流石だなって思った。

全員が一丸となって合宿してまで作り上げたりするようなショーだからこそ生半可なことはできないし、本人もしたくないだろうし、そこにはまさに草太くんの職人としてのプライドを見たような気持ちになったし、私の知らない山本草太はまだまだたくさんいるんだなあとも再認識できた。

本当に多方面への表現の引き出しを年々身につけていることが手に取るようにわかった。そして多分まだまだ進化する。人を引き込む力をしっかり持ってるのにまだ伸びしろもあってそれを兼ね備えてる人を応援するのはやはり楽しいことなのだ。観客を楽しませると同時に本人もめちゃ楽しんでるのが伝わってきたので、そんな姿をたくさん観るべく今後も応援していきたいなあと思った。

(あと何気に生でTeethを見たのが初だったのであった。映像では何回も繰り返し見ていたけれど、東日本側のイベントには行ってないし、今年は名フェスなかったし、GPSも海外だったから。)

他の出演者さんにも共通することだが、体調不良のスケーターが出たことで出演者に変化があってもしっかり対応していてさすがだなと思った。三日間全部見た人はその変化もまた体感できたのだろうなと思ったりもした。買ってたSOTAバナータオルもようやく現地で振れた!


友野一希さんは、ずっと生で見たいと願っていたHalstonがようやく生で見られたのが嬉しかったのはもちろんなのだが、(あの傘からのプログラムへの導入の仕方と終わり方考えたの誰ですかあまりにも最高すぎた)それにくわえて2日目から出番が増えていたようだった。体調不良で出られなくなってしまった島田高志郎さんの分のパート。でもそんなこと全く感じさせなかった。本当にさすがだ。

友野くんは「アイスショーはみんなお金を払って観に来てくれるわけですし、その一回が最初で最後の方もいる」と以前インタビュー記事で言っていたことがあったし、振り覚えが早いのには自信があるって話しているのも見たことがあった。以前にも別のショーで急遽途中からコラボに参加するという経験をしたことがあったはず。

ショーのクオリティを下げることなく観ている人に対してすべきことを全うでき、半端なことはやらない人だからこそできることを今回も見事にやり遂げていたと思う。

人生の選択をするのは本人であるということは大前提に世界の片隅のブログに個人的な意見を書いてしまうが、私は将来的に彼がプロデュースしたアイスショーを見てみたいという願望がある。

どんな系統でもいけそうだけどそれこそ今回の滑走屋みたいなスタイルのものもいい、学生スケーターを見出すのもすごく上手そうだし、振付もできるだろうし、いろんな人と協力して仕事するのも上手いだろうし、グッズ開発のセンスもいいし、エンターテイメントに向き合う才能は言わずもがなである。どう考えてもいいものができる気しかしない、あなたがやらなくて誰がやるのと思うくらい向いてる人物だろと個人的に思っている。

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アンサンブルも本当にどれも素敵だった。みんな同じような黒い衣装で独特の照明を使っているので初見だと誰が誰かわかんないパートもあるよという呟きも事前に見ていたが、私は事前に思ってたよりはどれが誰なのかは判別できた気がする。それに、もし仮に判別できなかったとしてもそれもある意味狙いなんだろうなと考えられただろう。誰が誰だかわかる人が見てもそうでない人が見ても楽しめる作りになっている。どちらの場合でもあのフォーメーションを楽しんでくれ、疾走感を楽しんでくれ、我々は滑走屋であるという声が聞こえてきたような気がしたし、私の席は多様なフォーメーションがすこぶる見やすい席だったのでじっくり堪能できた。

この人の動きが素敵だなと思って双眼鏡を覗いたら門脇慧丞さんでした率は大体8割5分だったし、大島光翔さんはそんな演出の中ですらめちゃくちゃわかりやすくてこの人やっぱオーラがすごいなと思ってしまったし、櫛田一樹さんはクロスで滑ってるだけであんなかっこいいのは芸術の域ではと思ってしまった。(普段こんな丁寧に名前書かないのにあえて全員フルネームで書いた)競技してる時ももちろんみんな素敵だけど、あまりショーで滑る機会のなかったスケーターも、ショーで滑るとこんな一面も見えるしこんな表現をするんですよっていうのをこれでもかと示したのはものすごい功績だと思う。

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追記:こんなに最初から最後まで斬新きわまりないショーだったのに、終わった後の自分の感覚がどうにも身に覚えがあり、一体なんなのだろうと不思議だったのですが、これ、ある種のライブを観に行った後の感覚に似てたなと感じました。

例えば私は今年の年明けに大阪城ホールに80人以上の出演者が集結するライブを観に行ったのですが、なんかその時と感覚がちょっと近かったかもしれません。中身は全然違うんだけど。

そのライブでは照明がバチバチ切り替わってあちこちでたくさん同じような衣装の人が出てきて歌ったり踊ったり走ったりファンサしてる様をスタンドから見て楽しんだり、急に近くにかっこいい子が現れて驚いたり、気になる子を目で捉えて追いかけたりっていうことをしてたんですけど、人がどう入れ替わってもお客様に恥ずかしくないエンターテイメントを見せるという演者の心意気も含めて、ちょっと近いと言えば近かったかも。あとクラブとかフェスの要素も混じってたと思った。時には拳も上げるしノリ方というか盛り上がりかたも楽しくて。

私が観た回の最後の挨拶が大島光翔さんだったからそう見えただけ?だってあれ聞いた時、完全にこれはライブの最後とかにいうやつだってなっちゃったよ

 


…全部勝手に脳内にあるものをバーっと新幹線の中で書き留めてるだけなので解釈違いだなあと思っても流しておいてください

 


いずれにせよ、これまでにない斬新な要素をアイスショーと融合させることによって、アイスショーを観たことない人も観たことある人もどっちも引き込めるショーが作られてたのは間違いないと思う。

 


すっごい楽しいし秒で終わったわ〜って思うんだけど、濃縮された時間がすごく熱くて強烈な余韻が残る感じ。

本当に、観て良かったです。

滑走屋は見れる人はみんな生で見てほしいし、どらきんぐ生は全員食べるべき(ただ並ぶから時間に余裕もって買わないと新幹線ホームで猛ダッシュすることになります)

配信は買って見ましょう。